プラセンタとは「胎盤」を意味します。細胞の活性・分裂を促進する働きを持つ「成長因子」をはじめとして、ビタミン各種、ミネラル、アミノ酸、ムコ多糖体などの栄養素(有効成分)が豊富に含まれています。プラセンタを体内に取り入れることで「自然治癒作用」や「本来の状態に戻そうとする働き」を高めるのがプラセンタ療法です。
プラセンタ注射とは
本来、胎盤を意味する「プラセンタ」は哺乳類にしかないものです。ヒト胎盤から抽出したエキスを使った製剤は、厚生労働省によって「医薬品」と認可されており、健康食品(サプリメント)や化粧品には使用できません。ヒト胎盤エキス注射は医療機関のみで行うことができます。
ヒト以外の哺乳類(ウマ・ブタ・ヒツジ)のプラセンタエキスは市販の健康食品(サプリメント)や化粧品に使用されています。(魚や植物由来のものも販売されているようですが、実際には胎盤由来ではありません。ヒトプラセンタは他の哺乳類に比べて有効成分が多く含まれるだけでなく、注射により吸収率が高く即効性に優れています。
※ヒトプラセンタ製剤は、感染症のない健康なヒト胎盤のみが使用され、現時点でわかっているウイルスなどは滅菌により不活化されていますが、現時点でわかっていないウイルスについては感染の可能性があり、輸血や臓器提供に制限があるため、初診の際には同意書の記入をお願いしています。
更年期症状の緩和に有効で、女性の更年期障害であれば保険適用が可能です。
自費診療は性別に関係なく可能で、更年期症状の緩和や、疲れを和らげる、薄毛、二日酔、肩こり、肌荒れ、美容目的など効果に個人差はありますが、様々な効果が期待できる可能性があります。
プラセンタ注射の種類と費用
プラセンタ注射は、当院では次の2種類から選ぶことができます。
1.メルスモン注射
1956年より女性更年期障害・乳汁分泌不全の治療薬として使われています。
メルスモンの作用機序は、充分明らかではありませんが、細胞呼吸促進、創傷治癒促進などが認められており、組織細胞の新陳代謝を高め、身体の異常状態を正常化するものと推測されています。注射は皮下注射となります。
【保険診療】
45歳~59歳の更年期障害の女性のみが保険適用となります。
初回に更年期症状に関する問診があります。
北海道内では皮下注射で1回1アンプルを週2回・月10回までが保険適用になります。
※保険診療でホルモン治療を行っている女性は自費診療となります。
※都道府県や医師により保険適用の解釈が多少異なります。
メルスモン 費用 保険診療(3割負担) |
初 診 | 1,000円程度 |
---|---|---|
再 診 | 500円程度 |
【自費診療】
45歳未満、60歳以上の女性、保険診療でホルモン治療を行っている女性、すべての年齢の男性は自費診療となります。
メルスモン 費用 自費診療 |
1アンプル | 1,100円 |
---|---|---|
2アンプル | 1,650円 | |
3アンプル | 2,200円 | |
4アンプル | 2,750円 |
※5アンプル以上についてはご相談ください。
※自費診療の場合、初診時に問診があり、プラセンタ初診料:440円 が別途かかります。
2.ラエンネック注射
1959年に肝機能障害の治療薬として開発されました。
正常成熟肝細胞の増殖により障害肝組織の修復を視野に入れた肝機能改善剤です。
- 肝機能障害の場合、ウイルスやアルコールで線維化した肝組織を修復します
- 肝臓などに沈着した脂肪を減少させます。
- 細胞1つ1つの呼吸や新陳代謝を高め、細胞機能を活性化します。
注射は皮下注射および筋肉注射になります。
【自費診療】
慢性肝疾患による肝機能障害のみに保険適用があり、男性・女性とも自費診療になります。
ラエンネック 費用 自費診療のみ |
1アンプル | 1,100円 |
---|---|---|
2アンプル | 1,650円 | |
3アンプル | 2,200円 | |
4アンプル | 2,750円 |
※5アンプル以上についてはご相談ください。
※初診時に問診があり、プラセンタ初診料(440円)が別途かかります。
プラセンタ注射の副作用
主な副作用は次の通りです。
メルスモン
重大な副作用:ショック(頻度不明)
その他の副作用
- 5%以上:注射部位の疼痛、発赤など
- 0.1〜5%未満:過敏症(悪寒、悪心、発熱、発赤、発疹等)
ラエンネック
重大な副作用 ショック(頻度不明)
その他の副作用
- 1〜5%未満:注射部位の疼痛
- 0.1〜1%未満:注射部位の硬結 過敏症(発疹、発熱、そう痒感等) 女性型乳房
頻度不明:肝機能障害 頭痛
※注射部位の疼痛、硬結、過敏症(発疹・発熱・掻痒感など)がありましたらご相談下さい。