妊娠を望まない女性が、確実な避妊ができなかったと考えられるときに、緊急措置として「緊急避妊ピル/アフターピル」の服用をすることができます。性交後72時間以内にできるだけ早く服用すれば、85%前後の避妊効果があります。望まない妊娠の可能性があるときには、お一人で悩まずにご相談ください。

  • 避妊効果は100%ではなく妊娠することがあります。
  • 「中絶薬(中絶するための薬)」ではありません。
  • 避妊や月経痛をやわらげるために連日服用する「低用量ピル」とは異なります。
  • 性感染症の予防効果はありません。

当院のアフターピルの費用

レボノルゲストレル(1錠) : 7,700円 

  • 当院ではノルレボのジェネリックのみの取り扱いとなります。
  • アフターピルは治療目的ではないため保険適用外となり、自費診療となります。

当院のアフターピル処方の流れ

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予約

24時間WEB予約 または 診療時間内に電話でご予約ください。

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問診・アフターピルの説明

最後の生理(月経)の始まった日、避妊に失敗した日時、次回の月経予定日を問診し、薬の効果や副作用、注意点などを説明します。パートナーと一緒の受診も可能です。

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内服

基本的には院内で内服することが望ましいです。

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今後の避妊についての相談

避妊の失敗が多く、すぐに妊娠を希望されない場合には「低用量ピル」や子宮内に装着する「ミレーナ」について、希望があれば案内いたします。(避妊だけでなく、月経困難症、過多月経といった月経の悩みについても解消できます。)


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お会計

現金、クレジットカード、電子マネー、QR決済が利用できます。

アフターピルが必要なとき

  • 避妊をしない性交、避妊に不安のある性交
  • コンドームが破れた、外れた、腟内に残ってしまった
  • 腟外射精
    射精前の分泌液にも精子が認められるため、妊娠の可能性があります。
    挿入はしたが、射精しなかった場合も妊娠の可能性があります。
  • 普段内服している低用量ピルを飲み忘れてしまった。
  • 性犯罪(レイプや性的暴行)の被害に遭ってしまったとき
    警察に届けることでアフターピルに対し、公費負担の制度を受けることができます。

アフターピルの服用方法

アフターピルは、妊娠の可能性がある性行為から72時間以内の服用が必要です。

欧米で行われた調査によると、妊娠阻止率*1は24時間以内で95%、~48時間以内85%、~72時間以内で58%です*2。早く服用した方がより高い効果を発揮すると報告されています。

*1妊娠阻止率:避妊をしなかった性交を行った場合に予想される妊娠数に対して、アフターピルを服用することで減少する妊娠数の比率。

*2(参考)Task Force on Postovulatory Methods of Fertility Regulation. Randomised controlled trial of levonorgestrel versus the Yuzpe regimen of combined oral contraceptives for emergency contraception. Lancet 1998 Aug 8;352(9126):428-33.

アフターピルの副作用

以下のような副作用が現れることがありますが、症状は一過性で1~2日で改善します。

  • 吐き気
    服用後2時間以内に吐いてしまった場合には、薬の成分が吸収されていない可能性があるので、当院までご連絡ください。再度服用する必要があります。
  • 不正出血
  • 頭痛 など

アフターピルの注意点

  • 避妊効果は100%ではありません。
    内服後3週間たっても生理が来ない場合、いつもの生理より量が少ない場合は、妊娠検査薬を行い、陽性の場合には必ず受診し妊娠を継続するか検討しましょう。 服用後に生理だと思っていた出血が、妊娠初期の出血だったり、異所性妊娠(子宮外妊娠)による出血だったりする可能性があるため、注意が必要です。服用後の妊娠でも、今後の妊娠や胎児への悪影響はないとされています。
  • 服用後の性行為には避妊効果はありません。
    「アフターピルを飲めば、その後の性行為では妊娠しないだろう」という考えは間違いです。内服後でも避妊なしの性行為では、妊娠する可能性があります。
  • あくまで「緊急用」の避妊薬です。
    アフターピルは、低用量ピルや他の避妊法などのように、日常的・計画的に行う避妊方法ではありません。あくまでも「妊娠阻止の最終手段」として、「緊急用」であることを忘れてはいけません。

アフターピルを使用できない方

  • アフターピルの成分にアレルギーを起こしたことがある方
  • 重い肝障害がある方
  • 妊婦
  • 授乳中に服用することはできますが、乳汁中に移行することが確認されており、服用後24時間は授乳を控えてください。

よくある質問

  • 未成年ですが、家族に知らせずにアフターピルを処方してもらえますか

    処方可能です。保護者の同席や同意書などは必要ありません。

  • アフターピル処方に保険証は必要ですか

    健康保険適用外の「自費診療」となりますので、保険証の提示は必要ありません。

  • 避妊失敗から72時間を超えてしまいましたが、どうしたらよいでしょうか

    72時間を超えると妊娠阻止率はかなり低下します。しかし、「120時間以内であれば、ある程度の避妊効果は期待できる」とされていますので、アフターピルを処方することは可能です。

  • アフターピルを服用しましたが妊娠してしまいました。今後、流産などアフターピル服用による影響はありますか

    アフターピルで妊娠を防げなかった場合でも服用後の妊娠でも、今後の妊娠や胎児への悪影響はないとされています。

  • アフターピルを服用することで、将来の妊娠に影響はありますか

    将来の妊娠に影響を及ぼすことはありません。

アフターピルの作用のしくみ

アフターピルの作用のしくみは現時点で十分に分かっていませんが、服用により排卵を遅らせ、受精卵の着床を妨げる作用などから妊娠の成立を防ぎます。

排卵を遅らせる

通常、女性の体内に入った精子は、平均して72時間程度生きており、その間に排卵が起こると卵子と受精します。アフターピルを服用すると、排卵が5~7日程度遅れます。服用時に女性の体内で生きている精子がいても、受精能力があるうちに排卵が起こらないので、受精できずに妊娠を防ぎます。

受精卵の着床を妨げる

排卵が起こり、卵子と精子が受精して「受精卵」となっていた場合でも、アフターピルの作用で受精卵の着床しにくい子宮内膜の環境となるため、妊娠が成立しにくくなります。

子宮内への精子の侵入を防ぐ

子宮頸管内の粘液を変化させて、精子を子宮内へ侵入させにくくします。

(図)緊急避妊ピル(アフターピル)の効果